◆カーシャンプーの希釈
光男 「さあ、洗おうか。
俺の車だから、気ぃ使って、丁寧に洗ってな」
裕太 「はい、はい」
光男 「まず、シャンプーを泡立てて・・・」
裕太 「えっ?まず、水かけるんじゃないの?」
光男 「洗車作業は、段取りが肝心。
高圧スプレーをかけてから、シャンプーを泡立てていたら、時間がもったいないよ。
混んでいるときは、次の人にも悪いし、モタモタしているとカッコ悪いし・・・」
裕太 「洗車場の掟(おきて)なのか・・・」
光男 「まず、シャンプーをキャップ1杯分入れて、バケツに入れる。
少なすぎると、泡立ちが悪いし、多すぎてもいけない」
裕太 「多すぎると、もったいない?」
光男 「いや、シャンプーが濃すぎると、洗い終わった後に水で完全に流しきれないときがあるんだ。
シャンプーの成分がボディに残ったままだと、シミになったり、塗装が悪くなったりするんだ」
裕太 「この説明書には、50~100倍に希釈して・・・と書いてあるけど」
光男 「100倍に希釈というのは、シャンプーの100倍の量の水で薄めるということだから、このミニ容器50ml(ミリリットル)の100倍と言うと・・・」
裕太 「5000ml・・・5リットルか」
光男 「そう、バケツにミニ容器1杯分(50ml)を入れて・・・
そこの蛇口でバケツの目盛りの5リットルまで入れて、正式に言うと、50ml+5000mlで5050mlにするんだけど」
裕太 「おっ。お湯が出るんだな」
光男 「そう、ココは、高圧スプレーも、蛇口から出るのも、真夏以外は温水なんだ」
裕太 「洗車機も?」
光男 「そう、石鹸で手を洗うときも、冷たい水で洗うより、温水で洗ったほうが石鹸の泡立ちがいいだろう」
裕太 「そう言われればそうだな。
お袋が風呂の残り湯を使って洗濯するのも、水代をケチってるだけじゃないのか・・・」
光男 「そうだね。
じゃあ、お湯を勢いよく入れて・・・泡立てて・・・」
裕太 「よしっ!いくぞぉ!」