◆磨き作業 3   《シングルポリッシャー 》

 

赤城  「ペーパーの番手を上げて磨いていくのと同じように、車のボディの磨きも、粗いものから細かいものにしていきます。

   このポリッシャーに付いている円盤状のバフですが、このウールバフが一番粗い磨きに使います。

   次が、この黄色のバフ、そしてこのグレーのバフ、一番細かいのはこのホワイトバフです。

   コンパウンド、いわゆる磨き粉は、うちではこの中目と言われる粒度のものと、仕上げに超微粒子のものを使っています。

   そして、最後にポリッシャーについてですが、この回転するシングルポリッシャー、少し中心がズレながら回転するギアポリッシャー、回転せずにブレるように動くダブルアクションポリッシャーという3種類のポリッシャーをうちでは使っています。

   シングルポリッシャーは、磨く力、いわゆる研磨力は強いのですが、磨いているうちに熱を持ち、うっかりすると塗装を溶かしてめくぅてしまうことがあります。

   また、磨いた跡にキラキラと塗装のヨレのようなバフ目、オーロラマークとも言いますが、残ったることがあります。

   ほら、こちらから眺めてください」

 

光男  「本当だ。キラキラ光ってる」

 

裕太  「ツヤが出てキラキラ輝いているわけではないんですね」

 

赤城  「ええ。  塗装のヨレというか、磨いていると出てくるこのバフ目、悩まされます。

白やパールホワイト、シルバーでは見えないんですけど、ボディの色が濃くなると、

キラキラ見えてきます。

この上にコーティングすると、そのままパックしたように見え続けるんです

 

光男  「かなり厄介そうですね」

 

赤城  「ええ、バフ目は大嫌いです。

  でも、キラキラしてても、気がつくお客様は少ないんですけど、プロとして、バフ目が残った仕上がりは許せませんね」

 

裕太  「光男の『黄砂』嫌いみたいに、かなり嫌いみたい・・・」

 

赤城  「『黄砂』はボディの大敵ですからね。

   ただの砂じゃなく、中国の上空の汚損物質もくっつけながら飛んできて、ボディ上ではじけて油分をまき散らしたりするらしいですから」

 

光男  「本当に『黄砂』はイヤですね」

 

赤城  「本当に『バフ目』はイヤですね。

   ところで・・・車のボディの大敵は『黄砂』以外に、どんなものがあるか知っていますか?」

 

 

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